家族介護は、精神的にも肉体的にも負担の大きいものである。特に介護初心者となると、先が見えないため、介護をする側もされる側も、相当な不安やストレスを抱えながら生活しているものだ。介護をする当事者になれば、献身的な責任感と忍耐力が求められてくる。
介護に多くの時間を費やすことになれば、当然ながら自分の時間を持つことが難しくなり、心労が蓄積しやすくなる。また、介護される側の病状が悪化したり、認知症を発症したりすることで、介護の負担はさらに大きくなってしまう。肉体的な疲労に加えて、精神的なストレスも大きくなり、介護うつになってしまう人もいる。
介護には終わりがなく、長期にわたる場合が多いのも、精神的負担になる要因といえるだろう。さらに、介護される側の状態は日々変化していくため、介護する側は、常に緊張感を強いられる。また、介護費用や、介護と仕事の両立など、経済的な問題や社会的な問題も抱えがちだ。介護の不安のみならず、生活の不安ものしかかってくるのは、相当な苦しみだといえる。
だからこそ、家族介護の担う本人は、自身の心身の健康を維持するセルフケアが欠かせない。セルフケアとは、自分で心身の健康を管理することである。睡眠時間をしっかりと確保すること、栄養バランスのとれた食事を摂ること、適度な運動をすることなど、心身のリフレッシュを心がけよう。また、つらいときは一人で抱え込まず、家族や友人、専門機関などに積極的に相談しよう。人は一人で悩みを抱え込むと、さらに落ちて追い込みがちだ。思い詰めないためにも、外部に助けを求めるようにしよう。